糖尿病は早期発見、早期治療が肝心です。また自覚症状のあらわれにくい病気です。
気になったらまず受診してください!
糖尿病教室や集団指導なども企画、検討している。
糖尿病について
糖尿病は過食や運動不足がもたらす現代病です。日本では4人に1人が糖尿病の危険があると言われております。また糖尿病の怖いのは自覚症状がなしに気づいた時には合併症を引き起こし失明や腎不全などを招き、最悪の場合、命をおとすこともあるのです。つまり糖尿病は進行させないこと、早期発見・早期治療が大事なのです。
糖尿病の自覚症状とこんな方は要注意
尿の量が多くなる、喉がかわく、体がだるい、よく食べるわりに、体重が減る。
血圧が高い、中性脂肪が高い、肥満ぎみ、家族に糖尿病の方がいる。(血縁関係の父母、兄弟祖父母)、食べすぎ、飲みすぎ、食生活のバランスの悪い方、肥満ぎみの方。
合併症によるおもな自覚症状
目がかすむ、化膿しやすい、傷が治りにくい、手足がしびれるまたは痛い、立ちくらみがする、陰部の痒みがひどい、足がむくむ。
※急性の合併症では昏睡状態に陥ることがあります。患者さんが意識を失った場合は一刻をあらそいますので、救急車を呼びましょう!
3大合併症
糖尿病網膜症 | 最悪の場合、失明に至る。発症から約15年で半数以上が併発する。 |
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糖尿病腎症 | 腎機能が低下し、治療しないと慢性腎不全に至り、透析が必要になる。 |
糖尿病神経障害 | 末梢神経、自律神経が侵され、手足の痺れや痛み、立ちくらみなどを生じる。 |
全身にあらわれる合併症
脳 | 脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、糖尿病昏睡(≠低血糖)、麻痺 |
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心臓 | 心筋梗塞、狭心症などの冠動脈硬化症、突然死 |
血管 | 下肢閉塞性動脈硬化症、歩行障害、切断 |
眼 | 糖尿病網膜症、白内障、失明 |
腎臓 | 糖尿病腎症、腎不全、透析 |
神経 | 糖尿病神経障害、多発神経障害、四肢の痺れ、痛み 顔面神経麻痺、外眼筋麻痺、複視 自律神経障害、起立性低血圧、失神 無症候性心筋虚血、無自覚性低血糖 |
消化器 | 嘔吐、下痢、便秘 |
泌尿器 | 神経因性膀胱、残尿、尿路感染、ED |
足 | 潰瘍、壊疽、胼胝、変形、切断 |
皮膚 | 感染症、白癬症 |
呼吸器 | 結核、肺炎 |
筋肉 | こむら返り |
歯 | 歯周病、口臭、抜歯、感染性心内膜炎 |
※糖尿病は「食事のコントロール」が極めて大切になります。栄養指導も受けましょう。
よくある質問
- Q1 日本には糖尿病の患者さんがどのくらいいるの?
- Q2 なぜ糖尿病になるのですか?
- Q3 糖尿病の自覚症状は?
- Q4 ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c:エイチビーエーワンシー、グリコヘモグロビンともいう)って何ですか?
- Q5 低血糖の症状は?対処法は?
Q1 日本には糖尿病の患者さんがどのくらいいるの?
1997年の厚生省(現:厚生労働省)の調査では、日本の糖尿病患者数(推計)は690万人報告されました。これは、成人の10人に1人が糖尿病という計算になり、1990年の調査報告から比較すると130万人も増加しています。また、糖尿病とまではいかないけれど健康な人より血糖値が高い、「糖尿病予備軍」も含めると1370万人にものぼると報告されています。これほどの患者数増加の背景には「食習慣の欧米化」「交通手段の発達による運動不足」などがあるといわれています。
Q2 なぜ糖尿病になるのですか?
食事をした後、腸から吸収されたブドウ糖は血液中から脳や筋肉などの細胞へ入り、私たちが活動するのに必要なエネルギー源となります。細胞内にブドウ糖を取り込むのに必要なホルモンが「インスリン」です。このインスリンの働きが悪くなったり(「インスリン抵抗性」といいます)、体内で作られなくなったり、作られても量が少なかったりして細胞内にブドウ糖をうまく取り込めなくなると、ブドウ糖は血液中にとどまり、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が高くなってきます。血糖値が高い状態を「高血糖」といい、これが糖尿病の状態です。
Q3 糖尿病の自覚症状は?
糖尿病の初期には自覚症状はほとんどありませんが、高血糖状態が長く続くと次のような症状が現れてきます。
- のど、口の中が渇き(舌が乾く)、水分を多く取るようになる
- 尿の回数が多くなり、量も増える
- 空腹感が強くなる
- 体重が急に減り、疲れやすくなる
さらに糖尿病が進行すると、
- 手足がしびれたり、皮膚がかゆくなったりする
- ものが見えにくくなる(失明する場合もある)
- ちょっとした傷が化膿しやすくなる
Q4 ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c:エイチビーエーワンシー、グリコヘモグロビンともいう)って何ですか?
血液の赤血球の中にヘモグロビンという成分があります。ヘモグロビンがブドウ糖にさらされると徐々にくっついて「グリコヘモグロビン」になっていきます。血中のブドウ糖が多いとグリコヘモグロビンができやすく値が高くなります。血中のグリコヘモグロビンの濃度は、過去1~2かヶ月の血糖コントロール状態を示しますが、HbA1cとは、グリコヘモグロビンの中で測定のしやすい種類のことで、健康な人ではだいたい4~5.8%(ヘモグロビン全体のうちHbA1cがどれだけ含まれるかの割合)とされています。糖尿病の患者さんであれば8%を超えるとコントロール状態が悪いと判断されます。
Q5 低血糖の症状は?対処法は?
インスリン療法をしている人が急に激しい運動をしたり、インスリンやSU剤の分量を必要以上に増やし過ぎたり、また、薬を服用してから食事を摂るまでに時間が経ち過ぎたりすると、血糖が下がり過ぎて「低血糖」という状態になることがあります。主な症状は「強い空腹感」「冷汗」「手足のふるえ」「動悸」「めまい・ふらつき」などです。ひどい場合は、意識を失うこともあります。軽い低血糖であれば、自身で糖分を摂りましょう。常にスティックシュガーなど(人工甘味料は不可)を持ち歩くようにしましょう。
また、ジュース(人工甘味料ではなく、砂糖の入ったもの)も有効です。しかし、αグルコシダーゼ阻害剤を飲んでいる方は、砂糖ではなくブドウ糖を摂るようにしましょう。手元にブドウ糖がなければ砂糖も有効です。
また、急に意識を失ってしまう場合に備えて、「私は糖尿病で、インスリン(または他の薬剤名)で治療中です」などと書かれたカードを常に常備・携帯しましょう。